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小冊子「かしこい医療経営のための税務調査対策Q&A」

Q10 資本的支出と修繕費

当医療法人で使用しているMRIのオーバーホール費用として約300万円を支払うことになりました。
この金額は全額修繕費として計上してよろしいのでしょうか?
それとも資産に追加計上すべきものが含まれているのでしょうか?
計上時の判断基準を教えて下さい。

ご存知の通り、新たな資産を取得するための支出は、資産に計上されますが、既存の資産に対する追加支出は、それが資本的支出として資産に計上されるものなのか、修繕費として費用に計上されるものなのか判断が難しい場合があります。

 

【資本的支出と修繕費の判断基準】

 

@20万円未満か?/YES→修繕費

 NO↓

Aおおむね3年以内の周期か/YES→修繕費

 NO↓

B明らかに資本的支出か/YES→資本的支出

 NO↓

C明らかに修繕費か?/YES→修繕費

 NO↓

D60万円未満又は前期末取得価額のおおむね10%以下か/YES→修繕費

 NO↓

E継続して7:3基準によっているか/YES→修繕費・資本的支出(※)

 NO↓

F実質的に判定して資本的支出に該当するか/YES→資本的支出

 NO↓

修繕費

 

※7:3基準によって修繕費に該当するもの

資本的支出か修繕費か明らかでない支出の額で、支出額の30%又は取得価額の10%のいずれか少ない金額を修繕費として損金経理したもの

 

判定は、上記のフローチャートに従って、@からFの順番に行います。

 

@とAに該当するものは、その支出が資本的支出としての性格を有するものであっても修繕費として処理することができます。

次に、BとCで、明らかに資本的支出に該当するものと、明らかに修繕費に該当するものに区分します。

この段階で残ったものは、修繕費なのか資本的支出なのか明確に判断でき ないものということになります。従ってBCにより判断がつくものをDEによって修繕費として判定することはできません。

Dによる判定は、その支出額が60万円未満、又は前期末における取得価額のおおむね10%以下であれば修繕費となります。

Eによる判定は、継続適用を条件として、支出額の30%相当額と前期末における取得価額の10%相当額のいずれか少ない金額を修繕費とし、残額を資本的支出として処理する方法です。

 

これらの@からEによっても判断できなかった場合には、実質基準によって個別に判定していくことになります。

 

病院の医療機器の中には、本体価格が高額で、そのメンテナンス費用だけでも相当な金額が必要となるものがあります。今回のMRIは、本体価格が2億円近くするもの(期末帳簿価額は約1億円)であったことから、上記のDによる判定(資本的支出か修繕費か明らかではないが、その金額がその修理、改良等に係る固定資産の前期末における取得価額のおおむね10%相当額以下である場合)により修繕費として全額経費処理することが認められます。

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